DWG互換CADとは?

DWG互換CADとは、オートデスク社のAutoCAD/AutoCAD LTのデータ形式「DWG」を直接編集して設計作業を行えるCADソフトウェアで、高いデータ互換性を持っています。この高いデータ互換性は非営利団体「Open Design Alliance(オープン・デザイン・アライアンス)」(以下:ODA)が開発したDWG入出力ライブラリーを利用することで実現されています。ODA参加企業は、このライブラリーに独自の機能を加えて各種のDWG互換CADを開発しています。

DWG互換CADには、AutoCADと同様に2次元図面や3Dモデリングを行える汎用タイプと、建築・土木・機械などの設計支援機能を備えた専用タイプがあります。また、ライセンス形式は、永久(永続)ライセンスと期間ライセンス(サブスクリプション)のから選べるものがあります。

DWG互換CADは、その高いデータ互換性と多様な機能を搭載しており、具体的な用途や費用面の要望に適したライセンス形式を選ぶことが可能です。これにより、設計作業の効率化とコスト削減が期待できます。さらにDWG互換CADはAutoCADと同じような操作感を提供するものもあり、AutoCADユーザーが迷うことなく利用できる利点もあります。

このような特長を持つ「DWG互換CAD」は、設計業務を行うすべての方々にとって有用なツールとなりえます。

 

DWG互換CADにはどんな種類があるの?

DWGデータと高い互換性を持つDWG互換CADソフトウェアには、いくつかの種類があります。


ARESシリーズ

ARES」はドイツのGraebert社が開発したDWG互換CAD。1977年に最初のバージョンがリリースされました。AutoCADと同等の画面インターフェース、操作性、機能を搭載しており、コストを抑えてCADを利用したい方に選ばれています。さらに「JTools」というアプリをアドオンすることでJw_cad図面データ(jww)を読み込みや拡張ツールの使用も可能になります。これらの特性により建設業界などでCADの運用コストを削減するための選択肢として導入されています。

BricsCADシリーズ

BricsCAD」はベルギーのBricsys社が開発したDWG互換CAD。2004年に最初のバージョンがリリースされました。2次元作図と3Dモデリングに対応しています。それだけでなく、建築情報モデリング(BIM)と機械設計のための専用機能も提供しています。これらの設計機能をユーザーは一つのプラットフォームで対応することが可能です。15言語に翻訳されており世界中で使用されているCADソフトウェアです。

IJCADシリーズ

IJCAD」は日本のインテリジャパン社で開発したDWG互換CAD。2006年に最初のバージョンがリリースされました。2次元作図や3Dモデリングを行える汎用パッケージはユーザーインターフェースがAutoCADに似ておりAutoCADユーザーは容易に操作できます。また、建築、土木、機械、制御盤・配電盤向けの設計機能を持つ専用パッケージもあります。累積実績10万以上のライセンスが様々な企業や個人で使用されています。

ZWCADシリーズ

ZWCAD」は中国のZWSOFT社が開発したDWG互換のCAD。AutoCADと同様の操作感とユーザーインターフェースを持ち、2D図面作成から3Dモデリングまでの設計作業に対応できます。


ライセンス形態・認証方式

DWG互換CADによって選べるライセンス形態・認証方式が異なります。
使用できる期間を気にせず使用できる永久(永続)ライセンス、一定期間のみ使用でき費用を抑えることができる期間ライセンスがあります。また、ライセンスを認証する方式は、使用するパソコンで認証するアクティベーション型、USBキーを接続したパソコンで使用できるUSBキー型などがあります。

DWG互換CAD名 <ライセンス形態> <ライセンス認証方式>
永久(永続)ライセンス 期間ライセンス アクティベーション型 USBキー型
ARES ×
BricsCAD ×
IJCAD △ ※1
ZWCAD × ×
(参考:AutoCAD) × ×

※1:CADを使用するには保守契約「メンテナンスサブスクリプション」の加入が必要です


機能とパッケージ

DWG互換CADによって様々なパッケージがあり、用途や業種に応じた機能を使うことができます。

機能 / 搭載パッケージ ARES BricsCAD IJCAD ZWCAD
2次元作図のみ可能 Standard Lite LT / STD Standard
2次元作図と3Dモデル作成が可能 Commander Pro PRO Professional
建築設計/BIM関連機能を搭載 Commander BIM Arch / Arch+
機械設計関連機能を搭載 Mechanical Mechanical Mechanical / Mechanical+
建設土木関連機能を搭載 Civil
制御盤/配電盤関連機能を搭載 Electrical

 

AutoCADと比較すると…

AutoCADとDWG互換CADをを比べると、それぞれの良さがあります。

データ形式

扱えるDWG/DXGデータは「2018形式」を扱えます。これ以前のバージョンR14~2015形式のデータにも対応しています(詳しい対応状況は各CADソフトの情報を確認ください)。 なお、AutoCADなどオートデスク製品で作成されたDWGデータは「Trusted DWG」として扱われ、互換CADで作成されたDWGデータとは区別されています。そのため、互換CADで作成されたDWGデータをAutoCADで開くと「非ネイティブのDWGファイルのメッセージ」が表示されます。これは開いたDWGデータがAutoCADで作成されていないことを伝える注意メッセージです。AutoCADを使用されている取引先へ互換CADで作成したDWGデータを渡す際はご留意ください。
また将来、AutoCADのDWG/DXFデータのバージョンが2018形式より新しくなった場合、DWG互換CADがその新データ形式に対応するまで時間がかかることが考えられます。

画面周り・操作性

DWG互換CADとAutoCADの画面を見比べると同じように感じる点もありますがコピー製品ではありませんので、使ってみると画面周りや操作性には異なる点が多々あります。ただ、互換CADはAutoCADとの親和性が高いため実際に使ってみると戸惑わずに基本的な操作はできてしまうと思います。また、それぞれの互換CADならではの機能もあります。
互換CADへの乗り換えをお考えの際は一度、気になったDWG互換CADの体験版でご評価されることをお勧めします。

ライセンス形態

DWG互換CADには永久(永続)ライセンス形態で提供されている商品があります。永久(永続)ライセンスは動作環境に適合するパソコン上で使い続けることができ基本的にライセンス自体の使用期限はありません。ライセンスの認証方式もキーコードやUSBプロテクタで行うことができるのも特徴です。
対して、AutoCADなどのオートデスク製品のライセンス形態はすべて「サブスクリプション(期間ライセンス)」のみです。使い続けるにはサブスクリプションを更新し続ける必要があります。なお現在、AutoCADの永久ライセンスは販売されていません。

価格と費用

AutoCADのライセンス形式は「サブスクリプション(期間ライセンス)」のみなので、1年間などのライセンス期間毎に更新費用が掛かります。長期間、利用し続けると総費用が高くなりやすいです。ですが、最新バージョンや旧バージョンの利用、メーカー対応の技術サポートを利用できるなどのメリットもあります。
しかし、どうしても総費用を抑えたいとお考えの方はDWG互換CADを選ばれています。永久(永続)ライセンス形式なら動作環境が合うパソコンがあれば使い続けることができます。初年度分の保守契約が必須だったりしますが次年度以降の保守更新は任意の場合が多いです。ただ、将来の最新バージョンへのアップグレード費用、サポートを利用できない点などは考慮する必要があります。
また、サブスクリプション(期間ライセンス)形式のDWG互換CADもAutoCADと比べると価格は安いので総費用を抑えることができます。

 

用途で選ぶ

DWG互換CADには用途に応じてパッケージを選ぶことができます。

2D図面の作成・編集を行えるパッケージ

AutoCAD LTからの移行をお考えなら、こちらのDWG互換CADをご検討されてみてはいかがでしょうか。

 

3Dモデリングと2D図面の作成・編集を行えるパッケージ

AutoCADからの移行をお考えなら、こちらのDWG互換CADをご検討されてみてはいかがでしょうか。

 

専用機能をもつパッケージ

 

導入事例

メーカーWEBサイトなどにて、導入事例が公開されていますのでご紹介します。

 

ご検討時によくいただくご質問

どれを選べばいいかわからないという方のために、導入をご検討される時によくあるご質問などをまとめましたのでご参考に してください。

最新バージョンのAutoCADデータに対応できますか?
AutoCADの新バージョンがリリースされた際、DWGデータのバージョンも上がるときがあります。その場合、DWG互換CADは対応が遅れることがあるようです。(2024年1月現在、DWGデータの最新バージョンは2018形式です。)
AutoCADで作成したDWGデータと違いはありますか?
DWG互換CADで作成したDWGデータをAutoCADやAutoCAD LTで開くと、AutoCADで作成したデータではない旨のメッセージが表示されるそうです。他社製CADで作成されたDWGデータを判別できるようになっており、AutoCADで作成したDWGデータは「TrustedDWG」と表示されるようです。
SXF形式データやJw_cadデータは扱えますか?
DWG互換CADのなかには、電子納品で使われるSXF形式データやJw_cadのJWWデータを扱える種類があります。
AutoCADと同じ操作方法ですか?
DWG互換CADはAutoCADやAutoCAD LTの操作は、同じような手順で行えますが、まったく同じわけではありません。また、無い機能があったり、DWG互換CAD独自の機能が加えられたりしています。